前腕の古傷と頸肩腕症候群
一昨日に来られた男性。右手の薬指・小指の痺れがひどいとの事。
首の張りも強いので、胸郭出口症候群かなと思いましたが、検査してみると首と痺れは直接関係なく、どちらかというと以前スノーボードをしていて転倒時に手を突いて傷めた事で、前腕の長掌筋と指伸筋の状態が良くありません。そして、お仕事がパソコンメインなので、前腕の皮膚・筋膜の動きも悪くなっています。腕立て伏せのように手を突くのが今でも痛いそうです。
前腕の神経間が圧迫される手根管症候群、これもこの方の痺れの一つの原因です。
これは、その為のテーピング。手の甲のテーピングは直ぐに剥がれてしまうのと、お仕事で目立つのもなんなので、就寝中だけでもご自身で貼っていただくようにしました。
そしてもう一つ、肩甲骨の辺りをほぐしている時に指全体に痺れが出ました。
これは正しく、頸肩腕症候群の症状です。前腕を傷めていなければ指まで痺れが走る事はないのかも知れませんが、残念ながらこの状況では出ます。余談ですが、坐骨神経痛で足の指にまで痺れが走るという状況も、この状態と酷似しています。
この方の場合、まず前腕の状態を改善する、そして、肩甲骨周辺の筋肉、特に棘下筋と呼ばれる筋肉の状態を良くする事で痺れは出にくくなります。
上腕神経の走り方で痺れが出やすい方は確かにおられます。ただ、ご自身の特徴を把握しておけば不必要な心配をする必要もなくなりますし、対策も考えやすくなります。